我が国を取り巻く様々な環境――自然・政治・経済・国際・防衛――の変化は止まることがなく、世の中の深層の動きを見極める感性が益々求められる時代を私たちは生き抜いて行かねばなりません。先般、人間力委員会主催で元内閣危機管理監・伊藤哲朗氏の講演会を催しましたが、当面する我が国の危機として、
(1)大地震、火山噴火(首都直下地震、南海トラフ地震の発生及び周辺の火山大噴火)
(2)パンデミック(感染症の全世界流行)
(3)テロの脅威
(4)中国の台頭と覇権主義的な行動
の4点が話題に上りました。そして伊藤氏は、それらに対するクライシスマネジメント(緊急事態対処)には、何よりリーダーの国家観・歴史観が問われると指摘されました。
私たち福岡中経協会員には、国家的レベルの危機を正しく理解して可能な備えを整えると共に、自らの経営・関与する会社や団体のリスクマネジメント(危機の事前対策)を、日々怠りなく勉めるという使命が課せられています。その社会的使命完遂に当たっては、経営者自身の人間性や識見、経営管理力、幅広い人脈などの積み重ねが求められています。
創立41年目を迎えた福岡中経協は、今年度も会員諸氏とその社員や家族にも役立つプログラムを用意します。中小企業の持つ力を存分に発揮しつつ、競い合い高め合いながら地方創生を牽引して、愛する祖国日本の恒久的繁栄に寄与することが私たちの願いです。
福岡県中経協連合会や他の中経協――北九州、筑後、筑豊――とも連携を深めながら“わかりやすく、参加しやすく、役に立つ福岡中経協“の活動の輪を更に広げて参りましょう。
以下に今年度の事業計画の中から特筆すべき事項をお伝えします。
(1)委員会活動の充実
本会入会と同時にご希望の委員会に所属頂くことが定例化し、各委員会の活動も盛んになっています。各委員会持ち回りの例会開催もすっかり定着して、毎月斬新で楽しい企画が続々と登場しています。例会の準備と実施も会員親睦を促進する役目を果たしています。
(2)新委員会
今年度は、ビジネス促進室に「国際化委員会」、社会貢献室に「出逢いと磨き委員会」を新設します。
一昨年からの「リアルアジア勉強会」が好評を博し、その延長で当会主催の海外視察も実現しました。アジアビジネスだけでなく海外事情や世界の動きに敏感になる「国際化委員会」への参加をお勧めします。
また「出逢いと磨き委員会」は前期までの婚活パーティー事業を発展させ、該当者の内面までも磨き上げようという、意欲的な委員会です。
(3)ビジネスチャンスの提供
経営スキルを磨き、ビジネス拡大を目ざす委員会活動も一層の充実を計ります。IT活用の最先端と、Face to Faceの「ノミニケーション」を両方駆使して新しいビジネスにつなげるのが中経協流です。
(4)当会のCSR活動
「皇居勤労奉仕団」と「東日本大震災被災地訪問団」は、福岡中経協の恒例事業となり、会員以外の参加者も年々増えています。今年度は是非お誘い合せの上、他では味わえない貴重な場を体験して下さい。
また、次世代人材育成支援の一環として、福岡市内中学校への「出前授業」を計画中です。
以上、魅力あふれる例会・委員会を通じて、会員相互および会員各社の社員が親密になれる場作り、経営者の知識・感性と“日本人力”を磨く様々な品揃えを一層充実させて参ります。
今年度も会員各位の積極的なご参加と、建設的ご意見をお待ちします。
平成27年5月
一般社団法人 福岡中小企業経営者協会
会長 山口 秀範