会長挨拶

令和2年を迎えて

会長 山口 秀範

 明けましておめでとうございます。令和で初の新年を皆さまお揃いでお迎えのこととお慶び申します。
本日は福岡中経協の会員の皆様と、北九州・筑後・筑豊三中経協の役員・幹部諸兄姉、そして九州経済産業局長にご着任早々の米田健三様をはじめ各界を代表される方々多数のご来臨を賜って、盛大な「新年祝賀会」を開催出来ます事に心から感謝申し上げます。

 昨年の本席で「福岡中経協今年の1文字」を「替」とご紹介しましたが、滞りなく挙行された「御代替り」の式典を通じて、多くの国民は我が国の歴史伝統に育まれた「国柄」を実感することが出来ました。また昨年の秋、福岡でも開催されたラグビー・ワールドカップにおける日本代表チームの目覚ましい躍進を始めとして、様々な競技で日本人選手の実力は世界のトップレベルに達していることを目の当たりにする昨今です。併せて観客のマナーや外国選手団・観客の「おもてなし」にも大きな称賛が寄せられました。さらには、吉野彰氏のノーベル賞受賞により、今世紀になって自然科学分野で二十名の受賞者を輩出しました。これはアメリカに次ぐ世界第2位の実績で、日本が科学技術でも世界をリードしている証しです。

 このように日本人として健全な誇りを覚える機会に恵まれ、我が国があらゆる面で成熟期にあることを確認する一年だったのではないでしょうか。そして今年は、オリンピック・パラリンピック開催により、「日本らしさ」の世界への発信は一層拍車をかけることになりましょう。そこで「中経協今年の1字は「輪」と致します。半世紀前の「五輪」が日本の国際的地位を一変させた如く、今回も世界の人々から期せずして日本をお手本にしようという機運の高まることが予想されます。そしてそれはインバウンドの観光や、日本産品・製品を購入したいというビジネスチャンスに繋がって来ることは言を俟ちません。
「輪(りん)」の訓読み「輪(わ)」は「和」に通じます。中経協会員相互の和(絆)を益々深め行く年にしたいとの思いも込めて、書家である浦岡香理事に今年も揮毫をお願いしました。

 一方で、そんな心躍る期待感とは裏腹に内外の情勢は波乱含みです。アメリカの軍事力・諜報力が地球上のどの地点にも及ぶことを、正月早々イラクで見せつけた訳で、北朝鮮の独裁者も固唾を呑んで見守っていることでしょう。世界が剥き出しの力に支配されているのも厳然たる事実で、それだけに自国の防衛は決して他人ごとでは済まされません。相次ぐ自然災害の度に恩恵を蒙っている自衛隊の本来任務である「国防」を未だに憲法へ明記出来ていないという事態に、今年こそは終止符を打ちたいものです。

 さて、我々中小企業を巡る良質な労働力不足はいよいよ深刻です。そんな中で推進される「働き方改革」は会員企業の多くに、様々な課題を迫っているようです。その実態を把握した上で福岡中経協として何が出来るかを考えて参りますが、そもそも労働を罪悪と見做すキリスト教文明と、働くことは「傍(はた)を楽にする――周囲の人々の役に立つ」と捉えて、神話の神々も米を作り機を織る仕事を喜びとした我々の祖先の生き方との、根本的相違を踏まえつつ議論を進める必要があるでしょう。
少子化対策の婚活支援、活力をもたらす若者育成などにも、引き続き力を入れて参ります。
昨年10月に福岡中経協は新潟の異業種交流団体幹部の訪問を受けました。数ある類似団体の中から当会を名指しして頂いたことは大変嬉しく、有意義な交流が図れました。3月にはその会の例会に招かれて、我々の活動を報告して参ります。このような地域を超えた交流・学び合いは、今後の中経協の進路に大きなヒントを与えてくれるものと楽しみにしております。

 毎年この席で、元日の新聞掲載の天皇陛下のお歌1首をご紹介することが恒例になっておりました。ところが今年は、ご即位後の超ご多忙のためか御発表が見送られたのです。そこで3年前の歌会始に皇太子としてお詠みになられた和歌を拝誦させて頂きます。お題は「野」です。

 岩かげにしたたり落つる山の水大河となりて野を流れゆく

 東京都の上水道水源である甲州山梨ご視察時のお歌です。山の水のしずくをご覧になりながら、やがてそれらが集まって大河と流れる様を心に浮かべられたのでしょう。そのしずく1滴1滴は我々国民各々なのでしょうか。あるいは、ご先祖様からの命のつながりかもしれません。実に堂々たる、気宇壮大なお歌ではありませんか。このような方を国の象徴と仰ぐ幸せを思い、それ故に、皇位の安定的継承が今年の最重要課題であることを再認識する次第です。当会の継続事業「皇居勤労奉仕」の第8回目を来月実施の予定です。

 成熟と将来不安の交錯する日本の経済・教育・文化。九州・福岡もその渦中にあります。福岡中経協は地域活性化の一翼を担うべく、本年も年明け早々から各委員会を中心に活発な相互啓発・交流親睦そして社会貢献の事業を進めて参ります。私自身は子年の年男に当たっています。当会でのお役目も仕上げの段階に入っておりますので、スナック「ちうちう」の盛り上りに負けず、この1年も微力を尽くして参ります。
どうぞ本年も福岡中経協をお引き立て頂き、皆様方の積極的なご参加をお待ちします。「お正月を和のテイストで」との思いでこの会を準備いたしましたので、どうぞ最後までお楽しみください。
ご参集皆様方のご健勝とご発展を祈りつつ、年頭に当たりご挨拶を申し上げました。

令和2年1月
一般社団法人 福岡中小企業経営者協会

会長 山口 秀範

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