会長挨拶

会長挨拶

会長 藤新 成信

 あけましておめでとうございます。本日は会員の皆様、多く来賓の方々にもご出席いただき、誠にありがとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
福岡中経協では、昨年の10月から3か月間、入会キャンペーンを行い、30社以上の企業の方に新たに入会いただき、会員数が397名になりました。中経協連合会小林会長のもと福岡県下1,250社の中小企業の方々が会員であられますが、本日は福岡を含めた4中経協の北九州、筑後、筑豊中経協の会長、副会長の皆様にもご出席いただき、誠にありがとうございました。先ほどのオープニングは、新春にふさわしい、心がうきたつような柔らかい演奏をご披露いただきましたが、私からは初めに少し硬いお話しをさせていただきたいと思います。
今年の干支、癸卯(みずのとう)について、昭和の碩学の安岡正篤先生の「干支の活学」より抜粋したしおりをご参照ください。私自身はあまりこういった内容に今まで関心を寄せたことはございませんでしたが、世界の動乱の中、日本と世界がおかれている状況をリアルに予測されているように感じましたので、この場でご紹介をさせて頂きたいと思います。

 癸卯(みずのとう)の年は、万事正しく筋を通してゆけば、それが例え冒険のような挑戦であっても繁栄につながり、これを誤ると混乱・動乱につながって全てを失うと言われています。来年は甲辰(きのえたつ)で、旧体制が破れて新しい激動が始まると謂われており、今年は特に、筋道を立て、丁寧に事を進めることで、来年の繁栄が拓かれそうです。
癸は揆であり、物事を「はかる」意である。故に揆度(きたく)とか、揆測とか、揆策などと用いる。然るに、測るには測る標準原則がなければならぬ。それでそういう「のり」、「みち」の意にもなる。(中略)癸は物事の筋道を立てることであり、その筋道が立たぬと、混乱になり、ご破算になる。これを「均(なら)す」という。日本では、政治がその道を失って自然に起こる騒動を「一揆」と称するが、うまくつけたものである。卯は兎ではなくて、冒(おかす)、陽気の衝動であり、「茂る」ことにもなり、兎よりも茆(かや)の方である。もっとも、陽気が発すれば、兎もとび出してこようが、それは民衆に普及する手段に採ったもので、原意にはない。卯は良い意味では繁栄・繁茂であるが、悪くすると紛糾し、動きがとれなくなることを表す。

 新年には、各界のリーダーの方々から一年の予測についてお聞きましたが、不安を抱きながらも成長の期待を持つという声を伺い、少し前進できるのではないかと思うのでありますが、中小企業においては様々な情勢の中で非常に厳しい面も抱えております。決して皆が一様に成長できるような楽観は全く感じられない。むしろ、逆風の中であっても、知恵を絞り、今年を乗り切っていく覚悟が必要ではないかと思います。ロシアのウクライナ侵攻よって東アジアにおいても安全が脅かされ、そして我が国も自国の防衛を意識せざるを得ない状況でございます。そのためにも憲法問題も含めて、我々一人一人が意識を高めて日本の安全を考え、安心して、お互いの事業が栄え、実りある年にしたいと願っております。

 本日は苗村九州経済産業局長、九州オープンイノベーションセンターの麻生元福岡県知事、谷川福岡商工会議所会頭にお越し頂いております。我々福岡の中小企業が、誠に様々なご支援を頂戴しておりますことをこの場を借りて感謝申し上げます。やる気さえあれば、技術、知財を充実させ、商品力を高めるなど、さまざまなチャンスを国、県、市、商工会議所様から頂いていると思います。求めれば叶うということ。そのことを思って、今年の一字を決めさせていただき、書家の浦岡理事に揮毫頂きました。昨年は「和を以て貴しと爲す」の「龢」でございましたが、これは、この中にも「爲す」という言葉がございました。また上杉鷹山の有名な「爲せば成る 爲さねばならぬ何事も 成らぬは人の 爲さぬなりけり」の中にもございます。この「爲」の一字を英語というとwill であるかと思います。Where there is a will, there is a way.でございます。今年の景気は厳しいけれども、社員の給与をあげるなど、挑戦していき、更に若い人材を育てて参りたいと思いますし、県内1,250社、中小企業の皆様と力を合わせて、そして福岡の経営者の皆様とさまざまな委員会活動を通して頑張って参りたいと思っております。その意味も込めて「爲」という一字を選ばせていただきました。今年も中経協の事務局に1年間飾らせて頂きたいと思いますので浦岡理事の文字を味わっていただければと存じます。

 最後になりますが、来年は中経協は50周年の年であります。ここまで築き上げられてきた諸先輩方へのご恩返しに何をすべきか皆で考えていきたいと思っております。冒頭の話しに戻りますが、癸卯(みずのとう)の年ということで、原点に戻り、設立当初の理念「自由主義経済を支える中小企業が単独では実施困難な共同事業の開発・促進、経営環境の改善・整備、会員相互の研鑽・交流」を掲げ、戦後の経済界がこれからというときに福岡の164社の中小企業の経営者が集まって、作られたのがこの中経協であります。その志を大切にしこの50年を機に、皆で、この先の新たな50年に向けて力を合わせて頑張って参りたいと思います。どうぞご支援ご指導のほどをよろしくお願い申し上げます。

令和5年1月6日
一般社団法人福岡中小企業経営者協会

会長 藤新 成信

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